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02.04  
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その2とは別のお話なのでちょっとタイトル変えてみた☆

☆とか言ってないでちゃんと終わらせて下しあって言われそうだけど終わらないんですもの。
仕方ない( ;∀;)

あと今回のいつも以上にとても読みずらいと思います。
読み返してる私がつらかったくらいだから相当だと思われる。いつかちゃんと直したい。


今回晒す所はミカゲ総愛され前提のヒュウ→ミカ?っぽいところで終わってます。
ミカゲが生きてて他部署でテイトはブラックホーク所属。
前にあげてたアヤミカと設定は変わりませんが同じ世界の話ではないのであしからず。










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それは夢の中の誰かに呟いたような、ふわりと浮かんで消えるような声。
どこか茫洋とした視線が宙を彷徨って、琥珀の瞳が誰かを写したのに従ううちに、ゆっくりと俺の視線と合う。
現状の認識が未だ上手くできていないのか、眼が合ってしばらくはぼんやりと見つめていたが、やがて腕を掴んでいた手を離すと同時に、へらりと笑って瞼を落とした。

「・・なん、ちゃって・・・。」



*A clown is good at covering it*道化師は隠すのがお上手





「ブラックホーク全員に、いっぺんに休みがもらえるなんて珍しいねえ。」
「アヤナミ様がいなければまともに仕事をする人間が減ることに気付いたんでしょう。・・・ヒュウガ少佐はアヤナミ様がいても仕事をしてくださらないですがね。」

柔らかく地上を照らす太陽の日が、まもなく中天に差し掛かろうとしている。
月末に大量の仕事を流し込まれ、ただでさえ通常業務だけで手一杯になっていた参謀部は遂に切れた。
切れたと言っても誰かが仕事を垂れ流す上官に殴りかかったわけではない。
各々の体力が切れたのだ。

特にアヤナミは、参謀部全員から気遣われるほどに酷かった。
ただでさえ青い顔色が病的な意味で白くなっており、心配したカツラギが繁忙期明けに上層部を説得して休暇をもぎ取ってきてくれたのだ。
ついでに全員分の連休も申請してくれたお陰で、こうして街中を歩けている。。
ヒュウガとしては皆一緒に休みが取れたのだから揃ってピクニックにでも行きたかったのだが、ヒュウガとコナツ以外はいつの間にか予定を作っていたので、仕方なく二人でのお出かけと相成った。
アヤナミに至っては遠隔地の温泉へ行っているので、誘いようもない。
最も、コナツも渋々と言った様子だけれど。


「もっと早く誘っておけばなあ・・」
「誘っても、断られたんじゃないですか?少佐ですし」
「何その棘のある言い方ー」


休みだから軍服はやめてくれと泣きつかれた結果の、カーゴパンツに白のシャツという姿で膨れ顔を見せるが、コナツは嫌そうな顔をするばかりだ。
いや、嫌そうな顔はいつもどおりか。
面倒だからと適当に着てきたせいか、コナツからの評価は「野暮ったい」だった。
そういうコナツの服装はなんだか派手だね、と言ったら、無言で殴られたが。


「今日の服えらく気合入ってるように見えるけど、もしかしてこのあとデート?」


興味本位で首を傾げて下斜め横を見る。派手だと言ってはみたが、他のコナツと同年の青年と比べて派手ということはない。
ただ前に見た時は妙に地味…というよりお洒落を知らないといった格好をしていたのだが、どこで覚えたのかえらく流行りに乗った服装をしている。


「デートする相手がいたら少佐と買い物になんて来てません。」
「ですよねえ。」


普段からこういう時の切れ味はかなり良い方だが、今日のコナツは一段とハッキリしている。
服装を茶化した事で怒っているのだろうかと思ってしまいそうな程だが、声のトーンは別段怒っているわけではない。
むしろ、別のことに気を取られている所為で思ったことをそのまま言ってしまっている感じがする。

デートする相手はいないが、気になる相手はいるのかもしれない。
服装が変化する時は大抵、男女変わらず恋愛が理由の時が大きい。
コナツの心を射止めた相手はどんな人なのだろうと、やたらと動いていたコナツの視線がある一点で止まったのを見て、ヒュウガはその視線の先を追った。


「あれ?テイト君と・・・ミカゲ君?」


コナツが覗く店の中、そこに見知った影を見つけて思わず足が止まる。
彼らもまた私服で、テイトはクロップドパンツにチェックのシャツを着ていて、ミカゲは薄手のパーカーにジーンズ、色違いのボディバックをそれぞれ肩に掛けていた。ペアルックならぬ、ペアバックである。
二人共後ろを向いて、何やら商品を物色していた。


「ミカゲ君も休みだったのか、やっぱりピクニック早めに誘っておけばよかった。」


彼も来てくれたらきっと楽しかっただろうに、そう思うとため息が出る。
テイトに会いに時々参謀部に訪れる彼を、参謀部全員がことのほか気に入っていた。
自分たちに臆せず話しかけてくるからというのもあるが、何より人柄がそうさせたのだろう。

ブラックホーク以外には心を開かないアヤナミも、ミカゲに対しては表情を和らげていたし、多少なりとも好意は持っていたのだろう。
一緒に遊べるのなら、温泉に行くよりも大分良くなったのではないだろうか。
そんな事を言ってみるとコナツが意外そうな顔で見上げてきたので、ヒュウガは何か妙なことを言ったろうかと目を瞬かせた。


「少佐、ご存知ないのですか?」
「何を?」


問い返してみると丸くなっていた目の輪郭がさらに大きくなった。
小さくうそだと呟く声が聞こえて余計に判らなくなる。
話の流れからするとアヤナミとミカゲの事だろうか。
体調が悪くなったのは仕事量のせいだけではないとは思っていたが、まさかミカゲが関係しているとは。

何があったのか気になるが、立ち止まったのは道のど真ん中だ。
立ち話は迷惑だろうとコナツの肩に触れて端に誘導しようと口を開いたところで、聞き慣れた声に名前を呼ばれた。


「ヒュウガ少佐!コナツ先輩!」


顔を上げると先程の店の出口で、ミカゲが片手を上げてこちらに手を振っていた。
心の底から嬉しそうに笑みを崩す姿は流石テイトに光だと形容されるだけあって、影を持つ人間には少し眩しい。
つられるように笑い返して、少しだけ片手を上げて応えるとミカゲは手を下げてこちらに小走りで近寄ってきた。
テイトはその後ろで少し不服そうにしており、ちらりと横目で見たコナツは少し嬉しそうにしている。


「やほーミカゲ君、君たちもお買い物?」
「はい!って事は、少佐達も買い物ですか?」
「んーまあ、そんなとこ。」


出かけようと提案したヒュウガに、買い物に行きたいとこの場所を指定してきたのはコナツの方だ。
ショッピングなんてほとんど興味のないコナツが言い出したので珍しいとは思っていたが、思わぬところにコナツの「気になる相手」に気づいてしまいどうしたら良いのか判らず思わず頬を掻く。
そんなことをしている間に後ろからついてきたテイトがミカゲの片腕に抱きついてきて、隠そうともしない敵意をヒュウガに向けてくる。


「そんなとこってどういう意味ですか?もしかしてデートとか。」
「違いますっ。なんで私と少佐がデートしないといけないんですか!」


応戦したのはコナツだった。
さらりと酷いことを言われたような気がしたが、確かにデートではないしコナツも勘違いされたくないと必死なのだろう。
やたらと力の入った返しに二人共驚いていた。
周りを歩いていた人にも少しだけこちらに目線を向けている人間がいて、隣にいる青年は罰が悪そうに蜂蜜色の髪を揺らす。


「コナツが最近お洒落に目覚めたみたいでねー。新しい服が欲しいんだって。」
「あっそうなんですか!力いっぱい言うんで吃驚しました。」


そういって胸をなで下ろす姿に安堵すると、斜め前方と横から強い視線を感じた。
何故自分はミカゲと話しているだけでこんなにも敵意を向けられるんだろうか。
別に普段通り仲良く話しているだけの筈なんだけれどと思って、漸く二人が視線を向ける意味に気付いた。


「そうだ、どうせなら三人で買い物行っといで。」


景気のいい音を立てて両手を合わせると、二人は驚いたように、一人は若干嫌そうに声を上げた。
今までふたりきりで入れたのに邪魔者を入れるのが嫌なのだろうけど、自分にできる『三人が楽しめる方法』なんてこのくらいだ。


「俺に見てもらうより年齢の近い二人に見てもらったほうがいいでしょ。若い子の流行とかわからないし。二人がいいならコナツも入れてあげてほしいな。」
「オレはいいですけど、ヒュウガ少佐はどうするんですか。」
「特にほしいものも無いし、少しぶらぶらして帰るよ。」


そう言ってヒュウガは一歩後ろに下がった。あまり長居しては三人が気にするだろう。


「じゃーね、楽しんでおいで。」


手を振って2、3歩下がると、三者三様の顔で見上げる後輩たちに笑顔を向け、踵を返した。
後手に左手を振ったまま、いつもより少しだけ早い速度で三人から離れる。
これでいい。
きっと三人は楽しく買い物をしてホーブルグ要塞に戻ってくるだろう。
新しい服を買ったなら今度どんな服を買ったか教えてもらおう。
三人が行くのならきっと若者向けのお店だし、自分はそういう店は苦手だ。
何より大人一人混じっていたらたまらなく違和感があるから。

全部言い訳だ。


「少佐!」


不意に腕を掴まれて動きが静止する。かくんと形容詞が付きそうなほど急に止められて思わずたたらを踏んだ。
右手に感じる熱に振り向くと、若草色の頭が膝に手をついて息を切らしていた。


「歩くの早…っ!」
「ミカゲ君?どしたの。」
「どう、したって。」


首を傾けていると首だけを上げた格好でヒュウガを見上げる。
眉尻を下げて見上げてくるので、少し屈んで体を起こしたミカゲと視線を合わせた。
掌が頭を撫でてしまうのは何時もクロユリやコナツにしてしまう習慣のせいだ。
見上げるミカゲは可愛かったけれども、断じてそれが理由でついやってしまったわけではない。
ミカゲは相変わらず困ったような顔をしている。
もしかして突発的に追いかけさせてしまったのだろうか。

ふと後ろに視線を投げると慌ててこちらに寄ってくる二人が見えた。
きっとミカゲを追いかけてきたんだろう。
少しだけ唸って、口を開く。


「このまま君をさらってもいいかな。」


掴まれている腕を少しだけ引いて耳を寄せ、ミカゲの顔を見ないままに問いかける。
顔を見てしまったら、見られてしまったら、ついさっきまでは閉じ込めていた己の醜い独占欲を見ぬかれてしまいそうだ。
むしろ台詞が大分恥ずかしい気がするが、普段ならこのくらいにはツッコミを入れているミカゲが何も言わないので黙っておく。

少しだけ掴まれた腕が痛んだ。
まだ若いとはいえ流石に軍人を目指していると言ったほうがいいんだろうか。
視線を投げかけると意味を測りかねているのか、まだ困った顔をしていた。
醜い大人の目の前で、そんな顔しちゃ駄目だってば。

ふいにミカゲが頬を赤くして視線を逸らす。
はて何でだろうと思ったがいつの間にか頬が緩んでいたらしく、自身が笑っているのに気づいて理由はこれかと思い至る。
腕を離さない上にこの反応だと、嫌なわけではないだろう。
二人に遠慮して身を引いたが、ヒュウガとてミカゲを独占したくないわけでは無い。


「どうする?」


再度腕を引いて答えを促してみたが、ヒュウガの中では既に決まっていた。今日はもうこの掴んだ腕を離す気はない。
だからミカゲが頷いた時思ったのは、無理に連れて行くことにならずに済んだということだけだった。
ゆっくりと笑みを作る。だけど動作は機敏に。
ミカゲを抱え上げて驚いた形相をする二人を一瞥すると、軽くウインクを飛ばして走りだした。


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